タイの市中でも、至る所で対策が講じられている。
例えば、あるスーパーでは入店時に検温が必須で、検温された証に白いシールが肩に張られる。一部コンビニでは店員がマスクとゴム手袋、プラスチックのシールドを着用し防備。入店にもアルコール消毒と検温が必須だ。屋台でもマスクと手袋の着用はもちろん、アルコール消毒液を目にすることが多くなった。とはいえ、食品をビニール袋に入れて販売する店もあれば、包装せずに売る店もまだある。
新型コロナに感染した際に治療費を補償する“コロナ保険”に入るタイ人も多く、新規加入を締め切る会社もあるほど。新型コロナをいかに恐れているかがうかがい知れる。日本に留学経験がある30代タイ人女性・Aさんは、日本の対策に疑問を抱く。
「日本でも多くの店舗や施設でアルコール消毒液を置いているようですが、タイはバスの席でも離れて座るよう席には×印がされているし、人とは一定の距離を取るし、マスクをしてないと入れないところばかり。危機意識が日本より高い気がします。これは、タイが貧富の差が激しく、また日本のように医療保障がないため、『絶対に感染するわけにはいかない』という意識が大きいからかもしれません」
タイでは子どもや高齢者以外でも、外出を控える人が大多数だ。日本語が話せる30代タイ人男性・Bさんもその一人。外出できない日が多くなれば、当然ストレスもたまるだろうが、日本のアニメのおかげで乗り切っているという。