新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、高齢者は感染症対策に細心の注意を払う必要がある上に、家計にのしかかる介護費用の負担とも向き合わなくてはならない。
医療費と同様に、自己負担を一定額までに抑えられる高額介護サービス費制度を知っておきたい。住民税非課税世帯の場合、自己負担の上限額は月2万4600円。超過分は払い戻しを受けられる。
さらに自己負担を軽減できるのが介護保険負担限度額の認定だ。介護アドバイザーの横井孝治氏が説明する。
「特別養護老人ホームなどの介護保険施設や短期入所サービス(ショートステイ)の利用で発生する食費・居住費の自己負担額を軽減する制度です。年金生活者に一般的な住民税非課税世帯なら、1日1000~2000円ほどかかる食費が650円、地域にもよるが1日2000~6000円は必要となるユニット型個室の居住費が1310円で済むなど、負担が大きく減らせる。市区町村の介護保険課などに申請すれば、自己負担を超えた額は自治体が払ってくれるかたちとなる」
同一世帯の人が年間に支払った医療費と介護費の合計が一定額を超えると超過分が払い戻される、高額医療・高額介護合算療養費制度も心強い味方となる。住民税非課税世帯(70歳以上)なら自己負担上限額は年31万円に抑えられる。
「同一世帯でも同じ健康保険に加入していないと合算できないので注意が必要です。夫が75歳以上の後期高齢者で年下の妻が国民健康保険といった場合は適用されません。ただし、条件付きで合算できる場合もあるので、自治体の窓口に問い合わせてください」(同前)
介護する側の家族の助けになる制度もある。老親の介護のために仕事を休まざるを得ない場合、勤務先の雇用保険から介護休業給付金が受け取れる。2週間以上にわたって常時介護が必要な家族の介護のために休業すると、平均日額賃金の67%が支給されるのだ。ただし、支給期間は3か月までに限られる。前出・横井氏はこの制度を最大限、有効活用すべきと指摘する。