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借金大国・日本、「緊急経済対策108兆円」の大風呂敷の中身

緊急経済対策108兆円の効果は?(写真:時事通信フォト)

 今の日本の財政状態は非常に厳しい。経済規模に対する政府の借金の割合を示す指標である政府債務残高対GDP比率をみると、日本は2018年、237.13%で世界ワースト第1位であった(IMF推計ベース、GLOBAL NOTE まとめ、以下同)。第2位はスーダン、第3位はギリシャ、第4位はベネズエラである。イタリアは第7位で132.16%、アメリカは第12位で104.26%、中国は第95位で50.64%である。

 借金から流動性の高い財産を差し引いた純借入額、すなわち、政府債務残高から所有する通貨、SDR(特別引出権)、預金、保険・年金資産、貸付金、債権などの政府金融資産を差し引いた政府純債務残高対GDP比率でみても、日本は2018年、153.2%で世界ワースト第1位だ。

 一般会計予算において、歳入総額から国債など借入による収入を差し引いた金額を計算し、歳出総額から国債費など元本返済や利子支払いに充てられる費用を指しい引いた金額を計算、両金額の差を取ったものが、基礎的財政収支(プライマリー・バランス)であるが、それを名目GDPで割った値をみると、日本は2018年、▲2.92%で第153位であった(良い方から順位付けしている)。

 ただ、積極財政政策を行うアメリカは▲3.54%で第158位、中国は▲3.78%で第165位である。両国よりは少しマシだとはいえ、マイナスである以上、安心できる数字ではない。大きな借金を抱え、税金で支出を賄いきれない構造である日本では、大規模な財政政策が打ち出しにくい状況であることには変わりはない。

 日本政府は7日、東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡など7都府県に対して緊急事態宣言を発表すると同時に、緊急経済対策を発表した。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぎ、医療崩壊により多数の犠牲者をださないようにするために、密閉空間、密集場所、密接場面を防ぐ。その結果、経済活動が大きく阻害されるが、それへの対応策がこの緊急経済対策だ。

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