部屋の床を自動で掃除する家電「ロボット掃除機」。2万円ほどで購入出来るエントリーレベルの機種から、障害物を検知する高感度なセンサーを搭載し、床を水拭き出来る機能を備えた20万円近くするハイエンド品もあり、新規参入するメーカーも増えている。
マイボイスコムが今年2月に発表した調査によれば、ロボット掃除機の所有者は全体の8.9%程度。2018年の前回調査からは0.9%の伸びに留まっており、価格や手入れへの懸念から、購入に至らない場合も多いようだ。ロボット掃除機を所有する人たちに、利用の実態や満足度、生活に訪れた変化を聞いてみた。
ロボット掃除機を愛用して1年になる30代の女性会社員・Aさんは、2LDKの物件に住む共働き家庭。8万円で購入した掃除機を週3回の頻度で、出勤前に電源を入れて出かける。
「平日は忙しく、きちんと掃除が出来るのは週末のみ。少しでもサボると埃や髪の毛が目立ち、咳やくしゃみが出てしまうのがストレスで、ロボット掃除機を導入しました。部屋の隅など、掃除の甘い箇所はありますが、9割ぐらいのゴミはなくなっている印象です。それ以外の箇所はフロア掃除用のワイパーで済むので、もともと持っていた掃除機は一切使わなくなりました。時間の節約になるし、『掃除しないといけない』というプレッシャーから解放されたことを考えると、元は十分に取れていると思います」
引っ越しを機に、5万円のロボット掃除機を購入したのは、一人暮らしの男性会社員・Bさん。
「床の上に脱ぎ散らかした服がどうしても溜まりがちで、部屋全体が常に埃っぽい。ロボット掃除機は、電源コードや服など、床に少しでも物が落ちているとひっかかるので、動線を十分に考えたうえで家具を配置し、コンセントの配線も工夫しました。掃除しやすいように物を小まめに拾い、床に置かない様に心がけた結果、部屋を片付ける習慣が身についたので、一石二鳥です」