収束の気配を見せない新型コロナウイルスの感染拡大を受け、世界の株式市場でも株価下落が続いている。その一方で、「今が絶好の投資チャンス」という声も出ている。
「いまは10年に1度の株式投資の大チャンス。振り返れば2008年のリーマン・ショック、1990年代後半のアジア通貨危機と、ほぼ10年ごとに大きなショックが訪れていますが、その後は大幅に株価が上昇した。コロナ・ショックによる大暴落は、初心者にとっても絶好の投資チャンスでしょう」
ファイナンシャルプランナーの横山利香さんがそう話すように、株の専門家たちの中には、コロナ・ショックを前向きにとらえている人も少なくない。しかし、初心者は「株」と聞いただけで身構えてしまう。さらに外出自粛のいまは、わざわざ新しいことを始める気分にもなりにくい。
ところが、近年はネットで取引する「ネット証券」が主流であり、巣ごもり生活とは相性がバツグンなのだ。
街から人が消え、店舗は営業を休止。今年最大のイベントになるはずだった東京五輪も延期になり、暗い話題しかないいま、なぜ株の買い時といえるのだろうか。マーケットアナリストで財産ネット企業調査部長の藤本誠之さんが解説する。
「相場全体の値動きを示す日経平均株価は、今年1月は2万4000円台でしたが、コロナ・ショックで、一時、1万6000円台まで下がり、現在は1万9000円台です。『安いときに買って高く売る』のが株の鉄則。株価の水準が低いときに始めた方が、長い目で見ると有利なんです」
3月にはリーマン・ショック後の底値水準に近づき、多少は持ち直したとはいえ、いまも“底値圏”であることに変わりはない。そこにチャンスがあると株式評論家の植木靖男さんが言う。
「底値圏となっている相場全体の影響を受けて、本来なら好業績で今後の成長が見込める優良銘柄の株価も下がっています。しかし、市場が落ち着きを取り戻せば、優良銘柄はいち早く見直されて、株価上昇が期待できるのです」