投資情報会社・フィスコが4月27日~5月8日のドル・円相場の見通しを解説する。
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今週・来週(4月27日-5月8日週)のドル円は底堅い値動きか。米国内の新型ウイルスによる死者数は増え続けており、都市封鎖措置の影響などで雇用情勢は大幅に悪化している。
ただ、新型コロナウイルスの感染拡大を抑止のために導入された都市封鎖措置(ロックダウン)の段階的な解除への期待が広がっていることや、トランプ政権による大規模な経済支援策によって米国経済のさらなる悪化は回避されるとの見方が出ていることから、リスク回避的なドル売りは縮小するとみられる。
日本銀行は4月27日開催の金融政策決定会合で、企業の資金繰りを支援するため国債や社債、コマーシャルペーパー(CP)の買い入れ拡大について議論する可能性があることもドル買い材料になるとみられている。
米長期金利は伸び悩んでいるものの、欧州、日本の長期金利は弱含みとなっていることや、新興国市場から米国への資金還流が観測されていることは、ドル相場に対する支援材料になるとみられる。
日本はゴールデンウィーク期間に入り、為替取引は低調になる見通し。安倍政権は連休中に緊急事態宣言の解除か延長かを判断するとみられるが、延長の場合には日本経済の一段の悪化を警戒してドル買い・円売りが優勢となる可能性がある。新たな円買い材料が提供されない場合、ドル・円相場が円高方向に大きく振れる可能性は低いとみられる。