都市部では、大きな四角い箱を背負って自転車で疾走する「Uber Eats」の配達人を頻繁に見かけるようになった。新型コロナウイルスの感染拡大防止で“ステイ・ホーム”が要請されるなか、こうした宅配ビジネスが活況を呈している。日本郵便では宅配便があまりに急増したため、4月15日から当日の再配達を中止したほど。国交省は需要の急減したタクシー業界救済のため、4月21日からタクシーによる貨物配送を認める特例措置を開始している。
そんななか、新たな宅配ビジネスも登場し始めている。ITベンチャーのCBcloudは、「PickGo 買い物代行」という買い物代行サービスを4月27日から東京、大阪など7都府県で開始した。これは、“Uber Eatsの買い物版”ともいえるサービスで、登録しているプロの配送ドライバー(フリーランス)と、買い物をして自宅に届けて欲しい依頼人とをマッチングするサービスだ。同社代表取締役CEOの松本隆一氏は、この新事業を立ち上げた理由をこう語る。
「弊社では2016年6月より、法人荷主とプロの配送ドライバーをつなぐ配送マッチングプラットフォームサービス『PickGo』を開始しましたが、新型コロナの影響で企業間配送の受注案件が減少し、その一方で、個人の買い物代行の需要が急増しています。そこで、急遽、個人と配送ドライバーをマッチングする『PickGo 買い物代行』を開発し、提供することになりました」
既存サービスの『PickGo』を拡張する形になるので、スタート段階ですでに同サービスに登録しているプロの配送ドライバーは全国に約1万5000人いるのが強みだという。
マッチングの流れとしては、依頼者はスマホの専用アプリを使って、どこの店で何を購入して何時ごろに自宅(あるいは指定の場所)へ届けてほしいと依頼を出す。登録ドライバーは通常の配送業務のスキマ時間に、その仕事を受けられるかどうかを判断して受注する。複数店舗で複数商品の購入や、置き配指定も可能で、配送時間も24時間対応。代行料金は550円(税込)からで、店舗数や点数、商品、配達時間により変動する。