「寝ても覚めても仕事場」が辛い
20代の女性会社員・Cさんも、職場に少しでも近いところがいいという理由で、約1年前に埼玉県の家賃6万円の1Kから東京の職場に近い8万円のワンルームに引っ越した。Cさんにしてみれば、たとえ家賃がアップしようと、当時はメリットがあった。しかし今、「家がリラックスできる場所だった頃が懐かしい」と覇気がない。
「寝ても覚めても仕事場、という状況が辛いです。もともと在宅で仕事をしていた人は別に気にならないと思いますが、私はPCを閉じると、その空間からどこか別の場所に移動したくなってしまう。家がリラックスする場所ではなく、ただの職場になりました。仕事終わりの帰り道、あの言い知れぬ解放感が懐かしいです」
精神的に追い詰められていたことを明かすCさん。もともと旅行が趣味だったことから、息抜き手段として実践していることがある。一人でのホテル宿泊だ。
「まずお風呂を楽しんで、いつもよりリッチな食べ物やお酒を持ち込んでリラックス。広いベッドの上でゴロゴロしながら、映画や音楽を思いっきり楽しむ。同じ“ワンルーム”でも、ホテルには、生活感がない。いつも誰かが近くにいてくれるという安心感と、非日常があります」(Cさん)
コロナ禍に聞こえてきた、ワンルーム住まいの在宅勤務者たちの悲鳴。職住近接を選んだ人たちが、今苦境に立たされているようだ。