投資情報会社・フィスコが5月18日~5月22日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は底堅い値動きか。新型コロナウイルスの影響で米中関係や世界経済の先行きに懸念が強まり、主要国の株式が下落した場合、投資家のリスク許容度は再び低下し、安全通貨としてのドルの需要はやや強まる可能性がある。コロナ発生源をめぐり米トランプ政権が中国に対する批判を強めており、今後の米中対立に発展する可能性から、一部でリスク回避的な円買いが増えるケースも想定されているが、トランプ大統領はドル高について肯定的な見解を示しており、目先的にリスク回避的なドル売り・円買いが拡大する可能性は低いとみられる。
米国内の多くの州で都市封鎖(ロックダウン)が段階的に解除される方向で、経済の正常化に向けて期待感が高まる。しかしながら、パウエル議長の想定以上に悲観的な発言内容に市場心理は圧迫され、世界経済の持ち直しへの観測は後退している。今週発表される経済指標が市場予想を下回った場合、パウエル議長の予想を裏付ける可能性もあろう。その場合、米長期金利は低下しても安全通貨としてのドル買いは縮小せず、主要通貨に対して底堅く推移するとみる。パウエル議長は19日と21日にも発言機会があり、景気回復の足取りについての見解に再度注目が集まりそうだ。
FRB(米連邦準備制度理事会)のマイナス金利導入に関する可能性も、引き続き焦点となる。パウエル議長は否定的な見解を示しているが、市場関係者の間では年内にも導入される可能性があるとの思惑が浮上している。パウエルFRB議長が米国金利見通しについて弱気な見方を提示した場合、ドルの上昇を抑える圧力になりうる。
【米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨】(20日公表予定)
FRBは4月28-29日に開催したFOMCで、積極的な緩和政策を堅持する方針を示した。本格的な景気後退を前にマイナス金利への思惑は根強く、委員の意見が注目される。
【米・5月フィラデルフィア連銀製造業景気指数】(21日発表予定)
21日発表の5月フィラデルフィア連銀景況調査(製造業景気指数)は-40.0と、前月の-56.6から改善が見込まれる。ただ、製造業の急激な回復は見込みにくいとの思惑から、市場予想と一致してもドル買い要因にはなりにくい。