年齢を重ねるほど薬代がかさむのは、「しょうがないこと」と思い込んでいないだろうか。だが、保険がきかない市販薬でも節約する方法がある。「セルフメディケーション税制」の活用だ。
ファイナンシャルプランナーの小谷晴美氏が解説する。
「年間1万2000円以上の市販薬を購入すると、確定申告することで上限8万8000円の所得控除を受けられる制度です。対象となる市販薬は、解熱鎮痛剤や風邪薬、胃薬など1800以上あります(主な例は別掲表参照)」
これら対象となる薬は「スイッチOTC」と呼ばれるものだ。高崎健康福祉大学准教授の木村憲洋氏がいう。
「スイッチOTCは、医療用医薬品から市販薬になった薬のこと。医療用医薬品と有効成分は同じなので、同じ効果が期待できます。
ケースバイケースですが、病院で処方を受けずとも、同じ有効成分の市販薬をドラッグストアなどで購入して服用するという選択もあるのです」
もちろん、保険適用ではないので費用は高くなる。だからこそ忘れずにセルフメディケーション税制を利用できるかチェックしたい。
※週刊ポスト2020年6月5日号