そんなAさんは、今では「テレビはまったく見ていない」。ワイドショーを見なくなったのをきっかけに、あれだけ生活の一部になっていたテレビそのものから離れてしまったのだ。今は動画配信サービスで、ドラマを見るのが日々の楽しみだ。
「ワイドショーばかり見ていた頃は、東京で一人暮らしする息子が心配で、よく電話していました。『テレビの専門家の人がこう言っていたから、気を付けて』みたいな感じです。政府の対応について、息子に愚痴ることもありました。
すると息子から『情報に振り回されず、落ち着いた方がいい。情報番組以外のものにも目を向けて、リラックスして』と諭されて、目が覚めました。テレビの情報が私の生活を支配していたのかもしれません」(Aさん)
「見なくても特に不都合はない」
20代の女性会社員・Bさんは、そもそもそんなにテレビを見るほうではなかったが、コロナ禍でますます遠ざかったという。ネットの活用が自分には合っていると話す。
「垂れ流される情報よりも、自分で情報を取りに行くほうが性に合っている。在宅勤務になり、地上波を見てみましたが、ドラマは途中で休止になってしまうし、タレントがリモート出演するバラエティ番組なんかは、見ていても特に面白いと思えない。時間の無駄だと思うようになりました」(Bさん)
30代の男性会社員・Cさんは、偶然テレビ番組を見られない生活になり、そのまま遠ざかっているという。