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急増する「コロナ離婚」 3つの実例から見えてくる判断ポイント

 息子さんは、普段、見ることのなかった父親の言動に大きなショックを受け、家のなかでなるべく夫と顔を合わせないよう、逃げ回るようになりました。優子さんはそんな夫の姿を見て、離婚の意思を固めたといいいます」

 露木さんは「夫婦間で意見が食い違ったときに話し合いができるかは重大なチェックポイントです」と主張する。

「この事例では、夫は妻や子供の話を聞こうとせず、自分の気持ちや行動を優先させようとしている。コロナ発生から現在まで物資の不足、外出の自粛など、様々な問題が起こりました。その際、夫婦で意見を言い合い、結論を出すことができたのなら良いですが、話が通じず、相手が何を考えているか分からなければコロナが終息したあとも夫婦の関係は悪化の一途を辿るのは明白です」

【ケース2】介護職の夫が感染リスク無視で別居先を訪れ…

夫:介護施設職員・茂樹さん(仮名・40才)、妻:専業主婦・友恵さん(仮名・42才)

 もともと別居していた夫婦が、コロナによって離婚決断に至ったケースだ。

「激務の介護職だった茂樹さんを友恵は支えるべく、どんなに帰りが遅くなっても、暖かいご飯を用意して待っていたところ、『そうやってお前がずっと待っているかと思うと(気分が)重い。負担になって仕事に集中できない』と言い渡され、夫婦仲に亀裂が。友恵さんは子供をつれて実家へ戻り、目下別居中でした」

 その最中、発生したのがコロナ騒ぎだった。ひとりになって急に家族のありがたみが分かったのか2月下旬、友恵さんの実家を茂樹さんが訪ねてきたという。

「カップラーメン24個が入った段ボールとトイレットペーパー3袋、そしてマスク30枚を手にした茂樹さんが『いろいろ大変だろ? 買えるだけ買ってきたから!』とインターフォン越しに訴えてきたそうです。自宅にこんなに大量の品があるはずなく、ドラッグストアをまわって買い占めたのは明らかでした。

 友恵さんはドン引きしながらも『ありがとう、だけど他にも困っている人がいるのに、私たちだけ受け取れないわ』と品物は辞退したのですが、茂樹さんは『なんだよ。買い占めなんてみんなしてるよ』と意に解さない様子だったといいます」

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