他方、こんな声も聞こえる。
「去年の6月に亡くなった主人のお骨が今も家にあります。納骨堂を買い、一周忌に納めるつもりでしたが、難しくなってきました」
文京区の渡辺奈津さん(59才=仮名)だ。夫は次男で、渡辺家にはお墓がない。「いつか買わなければ」と夫婦で話していたが、行動に移すのはまだまだ先のイメージだった。発病わずか4か月で逝ってしまった夫の遺骨を手放すのが偲びなく、「一緒にいたい」と手元に置いてきたが、一周忌に区切りをつけるつもりだった。
渡辺さんが買おうとしているのは室内納骨堂。1月初旬に1箇所を息子と見学したが、娘にも同行してもらい、あと1、2箇所を見に行ってから決めようと思っていた矢先のコロナ禍。
「今、納骨堂の見学どころではないですよね。私は体が弱いほうなので、当面、外出は極力控えたい。もやもやします」
※女性セブン2020年6月11日号