薄々ムダだと思っていた全員での“声出し”
東京都新宿区のある居酒屋では、全員が薄々「ムダでは……」と思っていたことがなくなったという。店員のHさん(20代男性)がいう。
「ウチのお店は座席数が100以上あり、バイトが常時20人前後もいる大箱ですが、やたらと“声出し”を命じられる店で、『いらっしゃいませ~~!』『ファーストドリンクいただきました~~!』『あ~りがと~ございや~す!』といった声がいつも店内に響いていました。チーフによると、『店に活気が出る』という考えのようで、そもそもオーナーが修業したのが、そういうコンセプトの店だったようです。
しかしコロナ騒動で、けたたましい声出しが一切禁止になりました。するとこれが大好評。もともと価格が非常に安いため、店はいつも混んでいましたが、声出しをやめたら『うるさくなくなった』と喜ばれ、売り上げは何とか持ちこたえています」(Hさん)
中には“災い転じて福となす”となった店もある様子。飲食業界にとっては、これまでの無駄な慣習を見直すいい機会にもなっている面もあるようだ。