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入院にかかるお金、「入院時に払うお金」と「退院時に払うお金」の内訳

入院でかかるお金と払うタイミング

入院でかかるお金と払うタイミング

 生命保険文化センターの調査によると、患者が1回の入院で支払うお金の自己負担の平均は20万8000円。1日あたりの平均では2万3000円になる(「2019年度生活保障に関する調査」)。

 だが、ひと口に入院費と言っても、内訳は複雑になる。『医療費のしくみ』(日本実業出版社)の著書がある、高崎健康福祉大学准教授・木村憲洋氏が解説する。

「入院費は大きく分けて1日ごとにかかる『入院基本料』、検査や手術といった治療が積み重なっていく“出来高部分”の『特掲診療料』からなります(別掲図参照)。入院基本料は病院の規模や種類、病床の目的ごとに細分化され、加算される項目も多数あります」

 入院すると入院基本料は毎日発生する。病院には病棟の種類や入院医療の詳細について掲示する義務があり、患者は自分の病棟の入院基本料などを院内の掲示で知ることができる。

 入院中に必要となるのは、治療や薬にかかるお金だけではない。ファイナンシャルプランナーの小谷晴美氏が指摘する。

「保険が適用されない差額ベッド代、食事代のほか、着替えなどにかかる雑費や交通費、各種証明書料などがかかります。これらはすべて自費です」

 患者によって差が生じる出来高部分や、保険が適用されない自費負担部分が積み重なると入院費が大きく膨らむ。

 また、病院によっては、入院時にデポジットである「入院保証金」を請求される場合もある。

「額は病院によって違い、5万~10万円程度です。保険が適用される場合には5万円、交通事故や労災などで健康保険が使えない場合などは10万円を預ける、といった分け方をしている病院もある。このお金は退院時に精算されます」(前出・小谷氏)

 入院費の合計が保証金を上回れば退院時に不足分を支払うことになる。“入院する前”の段階で、ある程度まとまったお金を用意する必要があるということだ。

※週刊ポスト2020年6月12・19日号

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