約50日間続いた外出自粛で、買い物ができなくなった結果、実店舗での売り上げは激減。全国百貨店協会の発表によれば、4月の百貨店売上高は前年比72.8%減。4月の「商業動態統計速報」でも衣類が前年比53.6%減、ガソリンなど燃料が21.7%減など、どの業界からもため息が聞こえてくるようだ。そんな中、絶好調なのが通販業界だ──。
ようやく、日本全国で緊急事態宣言が全面解除された。北海道と首都圏1都3県では、実に49日間にわたった緊急事態宣言。この間、多くの飲食店や小売店が営業自粛を余儀なくされ、日本経済に大ダメージをもたらした。
一方で、うれしい悲鳴をあげている業種もある。
「目標に対し、180%以上の売り上げを達成した商品が数多くありました」
そう語るのは、24時間放送のテレビ通販『ショップチャンネル』を運営するジュピターショップチャンネルの広報・佐藤美琴さんだ。
自宅で買い物ができる通販業界は、外出自粛中に大きく売り上げを伸ばした。コロナ禍で人々が買い求めたのは、どのような商品なのだろうか。
人気を集めたものの1つが家電だ。前出の佐藤さんは、ショップチャンネルで人気が高かった家電として「ダイソンのパーソナルファン」を挙げる。
「いわば空気清浄機付きの扇風機。卓上や狭いスペースでも使えるコンパクトサイズ。家にいる時間が増え、各部屋の空気をキレイにして過ごしたいという需要が高まっているのだと思います」
エアコンは取りつけ工事が必要になるため、自宅に業者が出入りすることに。第三者の訪問を警戒したのか、エアコンよりも扇風機がたくさん売れたという。
また、調理家電も売り上げが急増している。ビックカメラ広報・齋藤俊明さんはこう語る。
「特に、ホットプレートの売れ行きが好調で、ビックカメラグループ全体で昨年4月に比べて2.5倍の売り上げでした。在宅勤務や休校で家族が家にそろう機会が増え、みんなで楽しく料理をしたいと考えるかたが増えたのでしょう」