新型コロナの蔓延以降、それまでマスクを着ける習慣がなかった人たちも、すっかりマスク必須の生活が当たり前になった。暑い、蒸れる、耳が痛い、声が聞こえづらい……など、マスク着用生活の不便を口にする人も多いが、なかには最初こそ戸惑ったものの、 “あった方がいろいろ都合がいい”という、思わぬメリットを見出した人もいるようだ。
30代の女性会社員・Aさんは、最初はなかなか慣れなかったが、今となっては、マスク生活をエンジョイしていると話す。
「メイクが本当に楽。ほぼアイメイクだけです。それも、眉を描いて、アイラインを目尻にひくくらい。以前はまつげやまぶたなども手をかけていましたが、自分の息の湿気で崩れるので、しなくなりました。リップやチーク、ファンデーションはマスクにつくのでやめました。そもそもマスクが顔の半分くらい覆うわけですし、メイクなんてほぼ無駄です」(Aさん)
Aさんは、ファッション面でもメリットを見出したという。どういうことなのか。
「だんだん顔のシワやほうれい線が気になり始める年頃で、若く見えるようなファッションは躊躇していたのですが、マスクがあると、年齢も不詳になる。おかげで思い切って、ちょっと若めな服も罪悪感なしに着られるようになりました。どちらかといえば、私は“マスク美人”といわれるタイプだったようで、思わぬところで嬉しいポイントです」(Aさん)
花粉症とアレルギー鼻炎に苦しむ20代女性会社員・Bさんも、マスクで恩恵を得た1人。今までは、初夏以降になると、マスク着用がいぶかしがられてきたと明かす。
「春以降にマスクをしていると、『風邪?』とか『何でこの暑いのに、マスクをしてるの?』とか、必ず質問されてきました。アレルギーのことを説明するのも、次第に面倒になっていたので、みんながマスクをしている今の状況が、すごく楽です」(Bさん)