外食チェーンに詳しいフリーライターの小浦大生氏はこう話す。
「メインとなる『しょうが焼き』は同じですが、おかずは全く別物。とはいえ、ボリューム感はあまり変わらないので、弁当のほうが70円安いというのは、それなりにお得感があると思います。ごはんを何杯もおかわりしたいというのであれば、定食の方がお得だといえますが、テイクアウトの弁当としてはかなりリーズナブルな部類に入ると思います。
また、やよい軒を運営するプレナスは、弁当チェーンの『ほっともっと』も運営していますが、『ほっともっと』の弁当よりやよい軒のテイクアウトの方が価格帯は高め。でも、おかずはやよい軒の方が豪華ですし、ごはんの大盛りが無料というのも大きなメリットで、満足度も高いと思います」
定食と弁当とでメインとなる料理のボリュームが異なるメニューもある。たとえば、店内で食べる『チキン南蛮とエビフライの定食』は980円で、チキン南蛮とエビフライ2本、ごはん、みそ汁、キャベツの千切り、冷奴、がセットになったメニューだ。
一方、テイクアウトの『チキン南蛮とエビフライの弁当』は810円で、チキン南蛮とエビフライ1本、ごはん、お新香、おひたし、ゴボウの和え物というセット。定食に比べるとエビフライが1本少なく、価格は170円安い。
「もしこの弁当にエビフライが2本入っていたら、おそらく価格は900円前後になると思います。ステーキ系の弁当であれば、それくらいの価格でも納得できると思うのですが、チキン南蛮とエビフライの弁当だと少々高く感じてしまいます。
また、980円の定食はごはんがおかわりできるけど、900円前後の弁当はおかわりができない……ということを考慮すると、弁当のほうがさらに割高に思えてきます。
そういう意味では、弁当にした場合に、エビフライを1本減らして価格を抑えるというのは、消費者心理にかなっているのではないでしょうか。定食をそのままテイクアウトできるということではなく、弁当に適した形にアレンジされているというのは、上手い戦略だと思います」(小浦氏)
店内で食べる“ごはんおかわり自由”のやよい軒とは異なる魅力を発揮するテイクアウトのやよい軒。おうち時間を演出する弁当となりそうだ。