コロナが落ち着いたら旅行に出かけたい──そう考えている人は多いだろうが、交通費の大幅アップは頭に入れておいたほうがよさそうだ。
土日・祝日の高速道路料金は、これまで「休日割引」として平日より3割安くなっていたが、コロナ禍の県外移動を減らす目的もあり、割引適用外となった。
「適用除外は6月14日までと発表されたが、感染拡大の状況や地域によっては今後も継続されたり、再び適用除外になる可能性もある。来年7月からの東京五輪期間中は、首都高速の日中料金(6~22時)が1000円値上げされます」(モビリティジャーナリストの森口将之氏)
飛行機での長距離移動も“コロナ便乗値上げ”が決定した。国交省は11の空港に対して、感染症対策にかかる費用を運賃に上乗せすることを認める方針を発表。
昨年10月にも、羽田空港は国際線の施設利用料を2570円から2610円に値上げしたが、来夏にも追加値上げが行なわれる見込みだ。
さらに格安航空(LCC)でも運賃の値上げが懸念されると、前出・森口氏が指摘する。
「LCCは搭乗率を高めることで料金を抑えるというビジネスモデルですが、ポストコロナでは座席の間隔を空けて運航することになる。そうなればLCCのビジネスモデル自体が成立しなくなるため、料金を上げざるを得なくなるでしょう」
国際航空運送協会(IATA)も、乗客数を3分の2に制限した場合、賃金を大幅に上げないと採算がとれなくなると指摘している。同様の理由で、「格安の高速バス運賃の上昇も指摘されている」(森口氏)という。