山の自然に囲まれた住まい、生活用品が事足りる街での生活。その“いいとこ取り”ができる別荘暮らしだが、注意すべき点もある。
別荘の中には長い間使用されていない家もあるため、傷みが進んでいることがある。物件を見るときは、そのことも冷静に判断したい。空き家バンクを利用して移住したある家族は、築27年の山小屋風の建物をおよそ600万円で購入したが、犬用の柵を整備するなどの改装で200万円の追加出費があったという。
ちちぶ空き家バンクのサイトでは「家屋内は大幅な修復工事が必要となる」といった説明文もある。リフォームや解体・新築費用が新たに発生することもあるため、環境や外観に惚れ込んでも予想以上の経済的負担がかかる場合も。肝に銘じておく必要がある。
新型コロナ危機にも動じない別荘暮らし
新型コロナウイルスの感染拡大で外出自粛が要請された際、東京の街は閑散とした。東京は商業施設が閉鎖されると生活の潤いが一気に失われてしまうことが多い。
一方、ふだん何もないといわれる田舎には、山や川があり、この季節なら近所での川遊びや山菜採りなどもできる。日常生活のインフラ格差はさほど感じられないという声も多い。万が一、ライフラインが止まっても生きていけるだろう。
新型コロナ危機は一極集中の生活形態の怖さを如実に物語っている。個々のスタイルに合わせた住まいについて改めて考え、資源を役立てるためにも空き家の活用は大きな指標となるだろう。
※女性セブン2020年6月25日号