キャリア

50代、70代の主婦出身ワーカー「私たちこうして仕事を見つけました」

片平しのぶさんは家事代行で週4日、1日2~4時間仕事をし、月約8万円の収入に

片平しのぶさんは家事代行で週4日、1日2~4時間仕事をし、月約8万円の収入に

家事力をスキルとして活用しよう

 片平しのぶさん(58才)は、大学卒業後、コンサルティング会社で3年半働いた後、主婦業のかたわら、兄が経営する居酒屋で掃除などの手伝いを行っていた。そして45才のとき、友人の誘いで家事代行の仕事を始めた。

 結婚後は主婦業に専念してきた片平さん。兄が経営する居酒屋を手伝ってはいたものの、掃除や配膳、食器洗いなど、仕事の内容は家事の延長だった。しかし、家事代行業を営む彼女の友人は、その“手際のよさ”に目をつけた。

「居酒屋で私が働く姿を見た友人が、家事代行業に誘ってくれたんです。確かに家事は得意でしたし、1日2時間だけというので、気楽に始めました」

 しかし、当時の彼女には、家事や育児、家業の手伝いのほか、脳梗塞の実母の介護があった。

「仕事を頼まれてから介護が加わったので、続けられるか不安でした。夜通しの介護で眠れず、ストレスの多い毎日。でも、2時間だけ仕事で“外の世界”を見ると、リフレッシュできたんです。おかげで、母や子供たちにもやさしくなれました」

 介護のために取得した「介護職員初任者研修」や、片づけのために取得した「整理収納アドバイザー」の資格が仕事にも役立ち、顧客からのオファーが次々と舞い込むようになり、気づけば13年も続けられているという。

「家でやって当たり前の家事も、同じことをよそのお宅ですれば、立派な仕事になり、感謝までされる。自信になりました」

 家事は立派なスキルであり、社会からいま、引く手あまたで求められているのだ。

※女性セブン2020年6月25日号

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