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【日本株週間見通し】日経平均は反発もリスクオン後退材料に注意

 週次新規失業保険申請件数が予想を上回り、労働市場の回復が遅れるとの懸念が強まったことでNYダウは小幅続落した。ただ、半導体関連やハイテク株は上昇し、ナスダック総合指数は小幅ながら5日続伸をみた。19日の日経平均は、米国市場で半導体関連株が堅調に推移した流れを引き継ぎ反発してスタートした。週末要因による手じまい売りもあり、前日終値を割り込む場面もあったが、政府による6月の月例経済報告で「景気が下げ止まりつつある」と基調を上方修正したことが好感されて後場は持ち直し、大引けの日経平均は123.33円高の22478.79円と3日ぶりに反発した。個別では、会社側による今期予想の開示、証券会社による目標株価引き上げを受けた東京エレクトロン<8035>の一段高が話題となった。

 今週の日経平均は、米国市場と為替動向をにらみつつも強調展開が見込まれる。新型コロナウイルス感染第2波への懸念や朝鮮半島の地政学リスクの高まり、米大統領選に向けたトランプ大統領の支持率低迷などの警戒材料などからリスクオンムードの後退が、引き続き懸念材料となる。

 一方、19日からは都道府県をまたぐ移動制限が全面解除となり、景気回復への期待感も増してくる。外部材料においては強弱材料が綱引き状態にある。こうしたなか、好感材料として働いてきそうなのが個別銘柄の躍動だ。

 18日に今3月期予想を増収増益で開示した東京エレクトロンが19日に1655円高の24860円と前日比7%を超える上昇率を見て、1銘柄で日経平均の上げ寄与度は59円超となった。アドバンテスト<6857>など周辺半導体株にもツレ高の銘柄が目立ち、この半導体関連株人気が持続すると、日経平均は上値を窺う場面が出てくる期待がある。ただ、19日は、日経平均が3日ぶりに反発したのに対して、東証1部の値上がり数は1043銘柄、値下がり銘柄数は1033銘柄とほぼ拮抗し、TOPIX(東証株価指数)は3日続落だった。この傾向が続くと、日経平均と市場ムードの体感温度が乖離してくる可能性もある。

 物色的には、半導体関連の人気持続と半導体から波及しやすい5G(第五世代移動通信システム)関連などへの人気波及が期待される。22日には米アップルがオンラインで世界開発者会議を開催することからアップル関連、また、任天堂<7974>が24日にビッグプロジェクトを発表するスケジュールを持つことで、任天堂周辺株やゲーム関連に動きが出る可能性もある。

 このほか、「抗ウイルス・抗菌剤CA1100」の小分けタイプ発売が材料となったキャンディル<1446>が19日にかけて2日連続ストップ高となるなど個別株物色は高まっている。特に、24日に3銘柄、26日に1銘柄とおよそ2カ月半ぶりにIPO(新規上場)がマザーズから再開されることも、個別株の物色意欲を高めることを支援してくる。

 今週の主な国内経済関連スケジュールは、22日に5月コンビニエンスストア売上高、24日に6月15・16日開催の日銀金融政策決定会合の「主な意見」、5月企業向けサービス価格指数、25日に4月全産業活動指数が予定されている。

 一方、米国など海外主要スケジュールでは、22日に米5月シカゴ連銀全米活動指数、米5月中古住宅販売件数、23日に米5月新築住宅販売件数、24日に米4月FHFA住宅価格指数、25日に米1-3月期GDP確報値、米5月耐久財受注、FRBは大手金融機関のストレステスト(健全性審査)と包括的資本分析(CCAR)の結果を公表、中国(26日まで)・香港市場休場(端午節)、26日に米5月個人所得・個人支出がそれぞれ予定されている。

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