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コロナで介護の潮流は「在宅介護」へ 費用は施設の半額以下に

要介護度の区分を見直す

 介護保険サービスを利用するためには、まずは要介護認定を受ける必要がある。そこで「要支援1~2、要介護1~5」のどれに当たるか判定される。

 いちばん軽い「要支援1」は、サービスの支給上限が月額5万320円だが、最も重い「要介護5」と認定されれば36万2170円と、30万円以上の差がつく。

 注意したいのは次のようなケースだ。

 夫の父親と同居する50代のA子さんは、最近、新たな心配を抱えている。

「歩くのがやや困難な父は『要支援2』と認定されたのですが、コロナ自粛が始まってからはさらに深刻な状況になり、夜中に大声を出すこともあるんです。コロナ自粛も明けたのでパートを再開したいのですが、睡眠不足と疲労で働く気になれません」

 被介護者の状態は、いつまでも一定とは限らない。明らかに様子が変わったと感じたら、再度、認定してもらう必要がある。

「もし、現在の認定に納得がいかない場合は、要介護度を見直してもらう『区分変更』の申請も可能です。地域包括支援センターやケアマネジャーに相談して申請すると再度認定調査が行われ、だいたい1か月で結果が出ます」(太田さん・以下同)

 増加した介護の負担を、自分たちの生活を犠牲にすることでカバーするのは危険行為。疑問が生まれたら、遠慮せずにケアマネジャーに相談するクセをつけておこう。

「要介護度が上がると、障害者手帳を取得していなくても税法上障害者と認定する自治体もあります。『障害者控除対象者認定書』が交付されれば、税の控除が受けられ、介護費や医療費が大幅に安くなる場合もあります。自治体によって対象者にバラつきがありますが、要介護1から一律認定しているところもあります」

 このように、在宅介護ではお金に関する制度の活用がキモ。知っているかいないかで、大きな違いになってくるのだ。

「こういった制度は、役所の方から教えてくれることはまずありません。自ら調べて、『こうなったら、あれが使えるな』と知識を持っていなければいけないんです」

※女性セブン2020年7月2日号

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