外出自粛で家にいる時間が増え、ネットで買い物をする人が増えるなか、巧妙なネット詐欺が後を絶たない。届いたメールに貼られたリンクを、なんでもかんでも無闇にクリックするのは危険を伴う。
本誌記者のもとにもAmazonを装った詐欺メールが来たが、これが実に巧妙だった。詐欺だとは気付かず、リンク先のサイトに指示されるがままにクレジットカード番号を含めた個人情報を入力してしまった。何しろ作りがホンモノのAmazonとしか見えず、さらに見に覚えのない24万9480円の商品を注文したことになっていたのだ。
「こちらの注文に覚えがない場合は? 他の方が誤ってあなたのメールアドレスで注文した可能性があります」の注意書きの下にリンクがあり、これがフィッシング詐欺サイトへのリンクになっていたのだ。
記者の基に詐欺メールが届いたのは昼過ぎだったが、深夜や休日に届くパターンも多い、と語るのはフィッシング対策協議会事務局の平塚伸世さんだ。
「深夜や休日は企業のコールセンターが閉まっていることもあり、怪しいと思っても電話で問い合わせることができません。そこで、本物そっくりのニセサイトをうっかり閲覧してしまう。そして、大事な個人情報が抜かれるケースが多々見受けられます」(平塚さん・以下同)
記者は詐欺では……と疑惑を抱いた時にすぐにAmazonのコールセンターに連絡をし、対応を聞くことができた。オペレーターからはクレジットカードを停止するよう助言を受けた。確かにコールセンターの営業時間外であれば、その間にクレジットカードを使われまくってしまっていたかもしれない。
詐欺の被害は多数報告されているものの、犯人像は明らかになっていない。詐欺メールは海外のサーバーを使って送られてくることも多く、警察がすべて把握しきれていないのが現状だ。