注意点としては、利用の目的が「保健・医療」「介護・福祉」「住宅改修等」「教育」「冠婚葬祭」「事業維持」「債務等の一括整理」「生活必需物品の購入」に限られること。普段の食費、衣類購入費などの生活維持費や、家族旅行などのために借りることはできない。
利用者の資金の使い道の中でいちばん多いのが、電化製品や家具、自動車など、生活必需物品の購入だという。
「夏場にエアコンが壊れたのに、購入代が貯まるまでがまんしていると、体調を崩して医療費がかさむなど、結果的にマイナスになる恐れがある。そういったケースでは利用してよいと思います」(ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さん)
借り入れ後に収入を予定している場合も、使いどころだ。
「自宅を売って介護施設に入る際、入居にかかる費用が一時的に足りない場合などです。自宅の売却後に売却益で返済する予定なら、一時的に借り入れても、差支えはありません。自宅をバリアフリーにリフォームする場合なども、施工後に介護保険で費用が補填されるので、賢い使い方といえます」(前出・風呂内さん)
上手に利用したい年金担保貸付だが、実は2022年3月末で受け付けを終了する予定だ。理由は、返済に苦労する人が多かったことや、複数回利用して“依存”する人などが続出したためだ。
年金生活における資金繰りは、慎重に行うべきだろう。
※女性セブン2020年7月9日号