年金担保貸付で借りられるお金一覧。表はWAMホームページと取材をもとに作成
また、冠婚葬祭費用として、夫の葬儀代や孫の結婚式代にも使えるが、この場合は特に注意が必要だ。
「たとえば、子供や孫の結婚式代として借りる場合、連帯保証人を子供にお願いすると本末転倒に思えるため、信用保証機関を利用したいという人もいるでしょう。そうすると、金利が上乗せされ、年利は約5.6％に跳ね上がります。どうしてもお金を借りる必要があるのか、考え直した方がいい」（ファイナンシャルプランナーの風呂内さん）
ほかにも注意が必要なのは、すでにある債務の一括整理に利用する場合だ。川田祥子さん（72才・仮名）は、銀行から借りていたローンがあったが、年利が低いからと年金担保貸付に借り替えをした。しかし、借り替えた矢先に夫が急死。夫の分の年金がなくなり、家計が一気に苦しくなった。2人合計で月22万円ほどあった年金が月12万円に減った上、祥子さんも持病で週2回の通院が必要に。返済が難しくなり、ついに自己破産せざるを得なくなった。
一般的に、自己破産をした場合は借金の返済義務が免除される。しかし、年金担保貸付の場合は、返済が終わるまで年金から返済を続けなければならない。自己破産をしても、年金受給権は失われないからだ。そのため、川田さんは自己破産したものの、困窮した状態は変わらなかったという。借金の返済に関しては、年金担保貸付で借り替えるよりも、債権者と交渉し、月々の返済額を減らすなどの債務整理を行う方が賢明な場合もあるのだ。
