昨今、著名人がネット上の誹謗中傷に対して法的措置を取ることを宣言するケースが増えてきた。具体的に表明したのはメンタリストのDaiGoさん、エッセイストのはあちゅうさん、ブロガーで『あいのり』出身の桃さんなどだ。これまでネットの炎上と誹謗中傷をウォッチし続けてきたネットニュース編集者の中川淳一郎氏が考察する。
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この流れはいいことなんじゃないですかね。DaiGoさんもはあちゅうさんも桃さんももっとやるべきだと思います。雑誌でもネット上の誹謗中傷の問題点は特集されるようになっており、7月2日に発売された『女性セブン』では『この世に誹謗中傷をしていい相手は1人もいない』という特集が掲載されていました。
同誌に紹介されたのは、プロレスラーの故・木村花さん、アンジャッシュ・渡部建、ジャーナリスト・伊藤詩織さん、大渕愛子弁護士、モト冬樹の妻でミセスモデルの武東由美さん、ツイッターユーザーの深爪さんらの例です。大渕弁護士は、2018年にとんでもない誹謗中傷をブログのコメント欄に書き込んだ人物に対して、発信者情報開示の判決を求めて手続きを進めているそうです。
これまでのネットの誹謗中傷に関する裁判で書き込みをした人たちが言うのは、ほとんど「軽い気持ちだった」というものです。そして「反省している」と続く。ただね、書き込んだ人は軽い気持ちだったかもしれないけど、書かれた側は相当キツいんですよ。勝手な憶測だけで夫婦仲が悪いだの、子供が不幸せだの公の場で言われて、そこに一切の正当性はない。
正直、もし自分の身元がバラされたうえで、「あいのり・桃をdisった山●権三郎の年収は? 学歴は? 嫁がブサイクと評判! 過去には会社で横領で解雇疑惑も」みたいな「いかがでしたかブログ」の餌食になったらどう思うか、あらためて考えてみてほしいです。