投資情報会社・フィスコが、株式市場の6月29日~7月3日の動きを振り返りつつ、7月6日~7月10日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は3週間ぶりに下落した。大手行に対するストレステストの結果を受けて、連邦準備理事会(FRB)が配当や自社株買いに制限を課したことなどが嫌気され、6月26日のNYダウは730.05ドル安と急反落した。週明け29日の日経平均は、このNY株安と国内外での新型コロナウイルス感染拡大を懸念して一段安でスタートすると、後場に入り下げ幅を広げ、大引けは前週末比517.04円安と反落した。日経平均は15日以来、2週間ぶりに終値で22000円を下回った。
航空機メーカーのボーイングが上げをリードして29日のNYダウが急反発した流れを受けて、30日の日経平均も反発で始まった。中国の6月製造業購買担当者景気指数(PMI)が市場予想を上回ったことで上げ幅を前日比453.26円高まで広げたが、国内外で経済指標の発表が複数予定されていることから、大引けにかけては上げ幅を縮めた。物色面では、米マイクロン・テクノロジーの好決算が材料視された東エレク<8035>など半導体関連株の上昇が目立った。なお、6月月間の日経平均は3カ月連続の上昇となった。
6月の米消費者信頼感指数が急回復し、パウエルFRB(連邦準備理事会)議長の議会証言を好感して30日のNYダウは続伸した。これを受け、7月1日の日経平均も堅調な始まりとなった。しかし、NYダウ先物の時間外取引での下落や為替相場の円高が警戒されたほか、1日の東京都の新型コロナ感染者数が60人以上になったことが嫌気されて日経平均は後場に入り反落に転じた。
6月の米ISM製造業景況指数が好不況の節目を上回りポジティブサプライズとなった一方、新型コロナウイルス感染者数の再拡大が警戒された1日の米国市場は、ナスダック総合指数が3日続伸、NYダウは3日ぶり反落とまちまちの展開となった。2日の日経平均は小反発で始まり、中国政府の景気刺激策への期待感などから上値を試す場面があったものの、東京都内の新型コロナウイルスの新規感染者2カ月ぶりに100人超えと伝わると上げ幅を縮小した。