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【日本株週間見通し】日経平均は22000円台で今週も動意薄か 

 2日の米国市場は、注目された6月雇用統計が予想を上回ったため、経済の早期回復期待が高まり大きく上昇して始まった。その後、全米1日あたりの新型コロナ新規感染者数が過去最多に達したことが伝わり上げ幅を縮小したが、トランプ大統領が第4弾のパンデミック救済策に着手したことが明らかになると上昇を維持しNYダウは前日比92.39ドル高の25827.36ドルで大引けた。

 3日の東京市場は、米国市場の流れを受けて買い先行で始まった。都内での新型コロナ感染者数が2日連続で100名超となったことが伝わったほか、3日の米国市場が独立記念日の振替休日で3連休に入ることもあり、市場エネルギーは後退したが大引けにかけて持ち直し、日経平均は160.52円高の22306.48円と続伸した。

 今週の日経平均は、6月中旬から続く22000円台前半のボックス相場を継続しそうだ。6月の米雇用統計は非農業部門の雇用者数が480万人増と予想を上回り、労働市場の改善ペースの進展が確認された。このほか米国では、6月の消費者信頼感指数、ISM製造業景況指数と経済指標がいずれも市場が好感する結果となり、NYダウは週間ベースで上昇に転じ、ナスダック総合指数も最高値更新が継続している。

 新型コロナウイルス感染症のワクチン開発の進展が伝えられていることも追い風に働いている。この米国市場の強調が東京市場にも反映される形で、日経平均も堅調展開となっている。その一方で、米国では一部の州・地域で感染が急増する中、外食などを中心に経済活動再開の停止・撤回が拡大、国内では2日に新型コロナウイルス感染者が100人を超えるなど、新型コロナウイルスに関連するネガティブなニュースも出てきている。

 経済回復とウイルス感染という強弱材料が対立するなかで、相場の方向性が定まりにくく、日経平均は狭いレンジ相場の継続が見込まれる。経済指標の発表スケジュールでは、6日に米6月ISM非製造業景況指数、8日に日本の6月景気ウォッチャー調査、9日に中国6月消費者物価指数の発表があるものの、相場の方向性を決めるだけのインパクトはなさそうだ。

 一方、需給的な懸念材料としては、大手国内証券が7月上~中旬に決算日が集中するETF(上場投資信託)の分配金に絡み、先物に7000億円の売り需要が発生すると試算するレポートがある。ETF決算に相当する分配金支払い基準日は8日や10日に集中しているとされ、波乱の芽がくすぶっている。

 このほか、東京都の新型コロナウイルス感染者数の動向には一段の注意が必要だ。5日の都知事選挙の投開票を通過して、感染者増を受けた何らかの警戒・規制が発せられた場合、ネガティブ材料として働いてくる。物色的には指数が膠着状況を強める中、個別材料株の日替わりメニューの展開が想定される。

 個別では日経平均への影響度が大きいファーストリテ<9983>の、今8月期第3四半期(9-5月)決算と6月国内ユニクロ売上推移速報の発表が9日に予定されている。このほか、3日は下げ止まったマザーズ指数だが、2日までの6日連続安で大きく崩れた。IPOスケジュールとしては7日にマザーズ、10日にジャスダックに各1銘柄が登場する。個人投資家がメインプレーヤーの新興市場が落ち着きを取り戻すかも焦点だ。

 今週の主な国内経済関連スケジュールは、7日に5月家計調査、5月毎月勤労統計調査、5月景気動向指数、日銀「生活意識に関するアンケート調査」の結果公表、8日に5月国際収支・貿易収支、6月景気ウォッチャー調査、9日に6月マネーストック、5月機械受注、6月工作機械受注、日銀支店長会議で黒田総裁挨拶、7月地域経済報告(さくらレポート)、10日に6月国内企業物価指数がそれぞれ予定されている。

 一方、米国など海外主要スケジュールでは、6日に米6月ISM非製造業景況指数、8日に米5月消費者信用残高、9日に中国6月消費者物価・生産者物価指数、米前週分新規失業保険申請件数、10日に米6月卸売物価指数の発表が予定されている。

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