ブロックチェーンはビットコインなど仮想通貨(暗号資産)の基幹技術として注目度が高まった。だがブロックチェーンの可能性はそれだけにとどまらない。「ブロックチェーン=仮想通貨」という思考のままだと、その技術の本当の凄さを見誤るかもしれない。未来の暮らしをよりよくしてくれる次世代ソリューションというのがブロックチェーンの本質だ。
そんな新たなビジネスチャンスを呼び起こすブロックチェーンについてはエンジニアでなくとも基本は知っておきたい。なぜなら、ブロックチェーンを活用する企業は新たな投資対象としても有望であり、今後企業の業績にも影響を与える可能性があるからだ。
本記事ではブロックチェーンの特長をマンガとイラストで解説する入門書『マンガでわかるブロックチェーンのトリセツ』をもとに、ブロックチェーンの仕組みや有用性について解説していく。
肥大化するコストの削減、データ改竄の防止…
「ブロックチェーンは次世代のソリューションである」と言うものの、全てのITシステムをブロックチェーンに置き換えることはできない。なぜなら、ブロックチェーンは取引に関するデータを鎖状に繋げていく作りになっているからだ。
そのため履歴データを蓄積して分析に活用するのには向いているが、ネットショップの会員情報のように、常に最新の状態を維持しなければならないデータに活用するのは向いていない。
ブロックチェーンには以下のような3つのシステム的な特長がある。
【1】24時間365日稼働し続けられる
【2】一度記録したデータを改ざんすることできない
【3】大規模なシステムを構築せずとも導入ができる
ITシステムは導入後も費用がかかってしまうものだし、データ量が増えるにつれシステムが指数関数的に大きくなってしまっては、やがて費用に見合わないものになってしまう。ブロックチェーンの特長はそんなコスト問題を解決してくれる。