投資

次世代ITインフラ「ブロックチェーン」でできること、できないこと

 なぜこのような特長を持つのだろうか。そこには2つの技術要素が関係している。

【1】「P2P(ピア・ツー・ピア)」ネットワークによるデータの分散管理

 一般的なシステムの場合だと、中央に大きなサーバーを構築してデータを集約するが、ブロックチェーンの場合は、「P2P(ピア・ツー・ピア)」という方法を使い、データを分散して管理する。

P2Pのイメージ

 ここでいう分散とは、データをバラバラにして色々な場所に保存するという意味ではない。ブロックチェーンのネットワークに参加するサーバーたちにデータのコピーを持たせて管理するという意味である。

 そのためインターネットに接続できて、ブロックチェーンのデータを保存できるサーバーさえあればよい。中央でデータを管理する大きなサーバーは不要だ。また、どこか1つでもサーバーが動いていれば、データを取り出すことができるし、もし、どこかのサーバーが故障してデータが破損したとしても補完することができるのだ。

 したがって24時間365日稼働し続けられるし、大規模なシステムの構築が不要なのである。

【2】取引データの中に「一つ前の取引データの要約」を含めて改竄を防ぐ

 ブロックチェーンのデータ構造を簡単に説明すると、次のようになる。ブロックチェーンは、複数の取引データをかたまりのまとめたものを1つの「ブロック」とし、そのブロックを鎖状に繋げていく。このときブロックの中に1つ前の取引データの要約を含めておく。

ブロックチェーンのデータ構造イメージ

 もし取引データを改竄したとすると取引データの要約に不一致が生じる。そのためデータの改竄がすぐにわかってしまうことになる。このデータの要約を計算することを「マイニング」という。マイニングすると報酬が貰えるので、みんな積極的にデータの要約を計算しようとする。

 データ構造でも改竄が防止できるが、改竄を防止するために、ブロックチェーンのネットワークに接続した人が積極的に行動するための仕組みがあるというわけだ。

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