・7月13日-17日週に発表される主要経済指標の見通しについては以下の通り。
○(日)日本銀行金融政策決定会合 15日(水)政策決定会合の終了時刻は未定
・予想は、金融政策の現状維持
日本銀行の黒田総裁は7月9日に開かれた支店長会議で、「景気の現状は新型コロナウイルス感染症の影響により、極めて厳しい状態にある」との見方を示した。「必要があれば、躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じる」との方針を維持しており、今回の金融政策決定会合でも金融政策の現状維持が決まる見込み。ただ、黒田総裁は「感染拡大の影響の収束とともに、ペントアップ需要(抑制されていた需要)の顕在化や挽回生産が予想される」との見解も提示しており、大規模な追加緩和観測は後退するとみられる。
○(中)4-6月期GDP 16日(木)午前11時発表予定
・予想は、前年比+2.6%
5月、6月の製造業と非製造業のPMIはいずれも50を上回った。中国経済の成長モメンタムの回復が観測されている。6月の非製造業PMIは54.4まで改善しており、4-6月期の経済成長率は前年同期比でプラスとなる可能性が高いとみられる。ただし、アジア諸国や欧米経済の回復が遅れた場合、7-9月期以降の成長ペースはやや鈍化する可能性がある。
○(欧)欧州中央銀行理事会 16日(木)午後8時45分結果判明予定
・予想は金融政策の現状維持
7月8日付けの英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)に掲載されたインタビュー欧州中央銀行のラガルド総裁は、「新型コロナウイルス流行後に打ち出した措置は効果を示した」との見方を伝えている。今回の理事会では、大幅に拡大したパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)が域内経済に与える影響などについて議論するとみられており、金融政策面での変更はないと予想される。
○(米)6月小売売上高 16日(木)午後9時30分発表予定
・予想は、前月比+5.6%
参考となる5月実績は前月比+17.7%、月間では過去最大の増加率となった。市場予想を上回る事業者が店舗を再開したことが要因。抑制されていた需要の顕在化で自動車販売と飲食店の売上高が特に増加したとみられる。6月についは、より多くの事業者が店舗を再開していることから、主に飲食店などの売上高が増加する見込み。
○その他の主な経済指標の発表予定
・7月14日(火):(中)6月貿易収支、(独)7月ZEW景気期待指数、(米)6月消費者物価指数、(欧)5月ユーロ圏鉱工業生産
・7月15日(水):(米)7月NY連銀製造業景気指数、(米)6月鉱工業生産
・7月16日(木):(中)6月鉱工業生産、(中)6月小売売上高、(米)7月フィラデルフィア連銀景況調査、(米)5月企業在庫、(米)5月ネット長期TICフロー
・7月17日(金):(米)6月住宅着工件数、(米)7月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値
【予想レンジ】
・105円50銭-108円50銭