投資情報会社・フィスコが、株式市場の7月13日~7月17日の動きを振り返りつつ、7月20日~7月22日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は3週間ぶりに上昇に転じて23000円台に迫る場面があった。
ギリアド社などが研究開発を進める新型コロナウイルス治療薬やワクチンへの期待が高まり10日のNYダウが大幅反発した流れを受けて、週明け13日の日経平均は大幅反発のスタートとなった。その後の中国株、アジア株の堅調推移が追い風となって大引けの日経平均は前週末比493.93円高の22784.74円とこの日の高値引けを見た。全面高商状の中、売買代金トップのソフトバンクG<9984>の上げが目立った。
14日の日経平均は反落した。13日の米国市場でNYダウは小幅続伸したものの、ハイテク株が大引けにかけて売られ、ナスダック総合指数も4日ぶりに反落したことを受けて、東京市場でもハイテク株中心に売りが広がった。後場は、アジア株の軟調から下げ幅を広げる場面もあった。
新型コロナウイルスワクチン開発への期待とともに、大規模な経済・金融支援策が長期にわたって維持されるとの期待が高まった14日のNYダウは大幅に3日続伸した。米国市場の取引終了後に米モデルナ社の開発する新型コロナワクチンが治験で良好な結果を示したことが伝わり15日の日経平均は一段高で始まると、一時22965.56円(前日比378.55円高)と23000円台に急接近した。大引けの日経平均は終値としては6月10日以来、およそ1カ月ぶりの高値水準となった。物色的には、中国の6月貿易統計が買い材料視されたファナック<6954>やSMC<6273>など設備投資関連株の上昇が目立った。
ウイルスワクチン開発の進展や、投資銀行ゴールドマンサックスの好決算や米7月のNY連銀製造業景気指数が2018年11月以来で最高となるなどの好材料が加わった15日のNYダウは4日続伸となった。しかし、ハイテク株には引き続き利益確定売りが散見されたことを警戒し、16日の日経平均は反落で始まると、前日比マイナス圏での推移となった。経済指標の発表を受けて中国経済への先行きが懸念されたほか、昼頃に16日の東京都内の新規感染者数が280人台と過去最高を記録したことが嫌気された。