16日のNYダウは新規失業保険申請件数を嫌気して反落した。一方、為替の円安傾向を支えに17日の日経平均は小反発で始まったものの買いは続かず、この日の東京都の新規感染者数が過去最多規模と伝わると、後場の日経平均はマイナス圏に沈んだ。しかし、下げ幅は限定的で東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちだった。大引の日経平均は前日比73.94円安の22696.42円と続落した。
今週の日経平均は一進一退の動きのなか、模様眺めムードが広がりそうだ。23日、24日と祝日が続き、今週の東京市場の営業日数は3日間にとどまる。4連休を控えていることに加えて、21日に日本電産<6594>、ディスコ<6146>、22日にサイバーエージェント<4751>と決算発表が本格化してくることが、模様眺めムードを強めてくる可能性がある。翌週29日のFOMC(米連邦公開市場委員会)とパウエルFRB(米連邦準備理事会)議長の定例会見を控えていることも手控え要因として意識されてこよう。
さらに、東京都における新型コロナウイルスの1日あたりの新規感染者数が過去最高に急増し、大阪府や千葉、埼玉、神奈川の関東圏でも増加し始めている。何らかの行動制限が発せられると相場は一気にリスクオフのモードに陥ってくる懸念がある。6月の小売売上高減少などから上海総合指数など中国株の勢いが失速し始めたのも気掛かり要因として働いてくる。
日経平均は6月10日以来となる心理的なフシと意識される23000円を目前に上値の重さが意識される局面でもある。しかし、テクニカル面で見た日経平均は上値トライの可能性も抱えている。日経平均は上昇する5日移動平均線を下値サポートしているほか、15日に新値三本足「陽転」を達成したことで、テクニカル的には再上昇転換の形となっている。基本的には25日移動平均線を割り込まない限り上昇基調は変化しない見込みだ。
日銀のETF(上場投資信託)買いの基本姿勢は変わっていない。また、16日の大引け後に発表された7月第2週(6-10日)の投資部門別売買状況によると、海外投資家は1108億円と5週ぶりの買い越しに転じていることも注目点だ。東京エレクトロン<8035>など半導体関連に続いて、ソフトバンクG<9984>、ソニー<6758>がすでに年初来高値更新に向いているのと海外投資家の復帰は無関係ではなく、こうした流れが1月高値の日本電産や村田製作所<6981>に広がってくると、全般が一段高に向かう可能性も捨てきれない。
波乱要因があるとすれば為替相場の急激な変動だ。物色の中心は市場エネルギーの減退を見込んで、個別材料株となることが予想される。
今週の主な国内経済関連スケジュールは、20日に6月貿易統計、6月15・16日開催の日銀金融政策決定会合議事要旨、6月の主要コンビニ売上高、21日に6月全国消費者物価指数(CPI)が発表の予定だ。なお、23日は「海の日」、24日は「スポーツの日」でそれぞれ東京市場は休場となる。
一方、米国など海外主要スケジュールでは、22日に米5月FHFA住宅価格指数、米6月中古住宅販売件数、23日に米6月CB景気先行総合指数、米前週分新規失業保険申請件数、24日に米6月新築住宅販売件数、米7月製造業購買担当者景気指数(PMI)、EU7月製造業購買担当者景気指数が発表の予定にある。