「『SOTUS The Series』は、タイ語学習のきっかけになった作品です。夜中に一人で見ているときに、あまりの『萌え』の大盤振る舞いに思わず叫びそうになりました。いかに魅力的な作品であるかを、PowerPointで手作りの“布教レジュメ”を作成して知り合いに配布したほど、ハマりました。YouTubeなどの動画配信サイトで公式配信されており、有志が日本語字幕を作成していることもあり、勧めやすいんです。
たくさんの魅力がありますが、それぞれのアイデンティティーを尊重しており、『性別なんて関係ない、君だから好きなんだよ』というテーマが違和感なく成立しているところが大好きです」(Bさん)
そんなBさんは外出自粛期間中にタイ語の勉強をスタート。現在はタイ語教本をベースにしながら、タイ文字の書き順と基礎文法を覚えるためYouTubeのレッスン動画を視聴。東京外国語大学が無料公開する学習者用の言語モジュールを併用して、発音や会話も勉強している。
「日本人から見るとタイ文字はかなり独特な形をしている印象。勉強して覚えられるものなのかと懐疑的だったのですが、ドラマにハマり、耳慣れることでひょっとしたら頑張ればいけるかも、と思えるようになりました。何より登場人物たちが話している言葉を自分も直接理解したいことが学習の原動力です」(Bさん)
タイの作品にハマることだけが、タイ語学習のきっかけになっているわけではない。日本の20代女性Cさん(会社員)の場合、日本のアニメ『ユーリ!!! on ICE』がきっかけだった。男子フィギュアスケートの世界を舞台に、グランプリファイナルの頂点を目指し、ライバルたちとの熱き戦いと絆を描いた人気作品。その登場人物の一人、主人公・勝生勇利(かつきゆうり)のデトロイト留学時代のリンクメイトでルームメイトでもあった、タイ代表のピチット・チュラノンに魅了された。
「作中でも描かれていた通り、華があって、明るくて、前を向いて突き進んでいく子。見ていて元気をもらえるキャラ! それまで『バンコクってどこ?』ってくらい無知でしたが、ピチットくんをもっと知りたくて調べ始めると、タイ関連のことが面白くて。タイにハマるきっかけになりました」(Cさん)
Cさんはアニメにハマってから何度かバンコクに行き、ますます魅了されたという。現在は、いつかまたタイに訪れる日を楽しみに、せっせとタイ語学習を継続中だ。タイ語テキストに加え、単語と声調はYouTubeで納得できるまで複数のチャンネルを見比べるなど熱心だ。