過去には黒柳の著書『窓ぎわのトットちゃん』の印税を社会福祉法人「トット基金」に投じ、就労継続支援B型施設「トット文化館」と「日本ろう者劇団」の運営を行っている。同書は1981年に発売されて以降、国内で800万部、中国で1000万部を超える大ベストセラーだ。
「ほかにも、死後に新たな財団を作って活動していくとなれば、当然、活動資金が必要になります。その場合、第三者である活動の運営者などに遺産を残すという考えもあり得るでしょう」(曽根さん)
遺言書の内容次第では、遺産の100%をそうした“後継者”に残すこともできるという。
「相続人が配偶者や子供の場合、一定の相続財産が法律上保護されています。つまり遺言書に“100%別の人に”と書いてあっても、配偶者と子供は法定相続割合の半分は請求することができるのです。これは『遺留分』と呼ばれ、全体の遺留分として認められるのは法定相続割合の2分の1です。ちなみに相続人がきょうだいの場合は、遺留分はありません。
また黒柳さんのように子供がいない場合は、24才離れた三男を養子にすれば、二次相続がすぐに発生しません。相続で優先されるのは配偶者で、次いで直系卑属(子供や孫)なので、兄弟姉妹間で養子縁組する人もいるのです」(曽根さん)