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人口統計で見る日本のリアル 毎年「市」一つ分の人口が消滅していく

 ところで最近、「人生100年時代」というキーワードで資産運用会社や金融機関が確定拠出年金や投資商品を勧めている。しかし、果たして100才まで生きる人がどの程度いるか、ご存じだろうか。2020年の住民基本台帳によると、男性が8577人、女性が6万3187人の合計7万1764人だ。これを全体の人口比で見ると、たったの0.06%。0.06%というと1万人中6人である。

 今後、医療技術の向上によってこの人数が増えていく可能性はあるが、将来推計人口によると、2050年時点で100才以上まで生きている人の比率は0.6%だ。2020年に比べて10倍と増えてはいるが、それでも1000人中6人の割合となる。

「自分は絶対、1000人のうちの6人に残れる自信がある」という人はともかく、「人生100年時代」は大半の人にとって関係のない話ととらえることもできる。老後に備えた資産形成は大事だが、長生きリスクに対して必要以上に神経質になる必要も、またないと言えるのかも知れない。

【プロフィール】すずき・まさみつ/金融ジャーナリスト。岡三証券、公社債新聞社の記者などを経て独立し、有限会社JOYntを設立。投資信託や資産運用を中心に雑誌やオンラインメディアに寄稿する他、出版プロデューサー兼ライターとして230冊以上の単行本の企画・制作を手掛ける。

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