「ある時は片手にタピオカを持ちながら、荷物をもう一方の腕に何個もかけている女性。電車が揺れる度によろけて、目の前に座っている私の上にドリンクを落とさないかとひやひやしました。その後も、マスクはあごにかけたまま、呑気にタピオカを飲みながら、イヤホンで通話していました。
また別のある時には、テイクアウトのコーヒーを飲みながら、サンドウィッチとアップルパイを食べているスーツ姿の女性2人組に遭遇しました。やはりこぼしたりしないか気になって、ちらちら見ていましたがお構いなし。話しながら完食していました」(Bさん)
そもそも、なぜ電車内でマスクを取ってまで食べなくてはならないのか、Bさんは不思議がる。
「以前から疑問だったのですが、何時間も乗っているわけではないのに、なぜ電車内で飲食したいのか、不思議でなりません。まだ電車に乗る前にホームで食べるか、降りた後に会社や家でゆっくり食べればいいと思うのですが……。そんなに時間がないのでしょうか。これまではまだ見て見ぬ振りをしてきましたが、コロナが感染拡大してからは、やはり気になりますね」(Bさん)
こうした意見に反論するのは、30代の男性・Cさんだ。駅構内で飲食物が売られていることに着目する。
「確かに混んでいるときや、臭いがきついものは避けた方がいいと思いますが、空いている時は別にかまわないのでは。だって電車内で飲食したら法律違反というわけではないですし、そもそも駅構内の駅売店にも、ビールやおにぎり、サンドイッチが普通に売られているじゃないですか。僕としては、駅で売っているものは飲食していい、という認識です。もちろん酔っ払ったり、音をたてたり、ゴミを残していくのはご法度だと思いますが」(Cさん)
電車内飲食をする当事者にも言い分があるようだが、特に公共交通機関では、いつも以上に個々人の良識ある行動が問われる現在。感染予防という意識は持っておいた方が賢明だろう。