今でも強く印象に残っているのが、朝子さんが親戚の葬儀に参列した時のこと。遠方で行われたこともあり、4日間の休暇を取ったそうだ。休み明け、朝子さんの仕事を代わりに対応してくれた仲間へのお礼の意味を込めて、お土産を用意した。
“気を遣わなくていいのに”という言葉を多くもらったが、「これは私が穴をあけてしまった仕事に対するお礼ですので」との一言を添えた。すると40代以上の女性社員たちが、“こういうのを習慣にされると困るんだけど。お葬式でしょ? 喜んで受け取れないなぁ”と、渋い顔をしたというのだ。
「その時は、他の仲間がフォローを入れてくれたので何とかなりました。しかし、1週間近くお土産が共有スペースからなくならなかったのは、少し切なかったです」
コロナ禍の「お土産文化」は
出張が続いたある時にも、買ってきたお土産に苦情があったという。
「“出張=お土産みたいなイメージがつくと、大変な人もいるから”と言われました」
朝子さん自身も決して楽な出費ではないと思っていたため、このことを言われた次の出張では、社内用のお土産を持って行くことを控えた。すると、今度は別の社員から“○○(地名)の有名なお土産が来ると思っていたのに~”と言われてしまった。
「一部の人にだけ配るのも気が引けますし、どうするのが正解なんでしょう? 同期の仲間も、いつも頭を抱えていました。いらないと言われていても、持ってこないと気が利かないみたいな雰囲気になるので……。どっちを選んでもいい方向に進まないって辛いですね」