足もとで日本の死亡者数は減少傾向にある。7月28日に発表された最新の人口動態統計速報(厚生労働省)によれば、5月の死亡者数は10万8380万人で、前年同月と比べ3.5%減少している。4月の死亡者数は0.4%増だが、3月は0.1%減、累計(1~5月)では2.4%減である。参考までに、過去1年間(昨年6月~今年5月)の累計データも示しておくと、こちらは0.1%増加している。
地域別では死亡者数が増えているところがあるかもしれない。その点について、感染症疫学センターが人口動態統計を用いて、日本における新型コロナウイルス感染症流行期(2020年1月~4月末)の超過死亡を週別、都道府県別に推定している。超過死亡の定義や、推計方法など詳細は、元データを参照していただきたいが、結果だけ示しておくと、超過死亡が検出されたのは、疫学週第17週(4月20日~26日)の千葉県だけであった(Farringtonアルゴリズムの結果)。
連日、新型コロナウイルス感染者数の統計が厚生労働省から発表されるが、5月中旬以降、低水準に抑えられていた感染者数は6月下旬から増え始めている。新規感染者数(PCR検査陽性者数)では、前回のピークは4月10日の708人だが、今回(8月18日時点)のピークは8月7日の1595人である。
ただ、4月4~10日のPCR検査数は4万7348件であったのに対して、8月1~7日の検査数は18万7405件である(曜日によって差があるため直近1週間の値を計算)。感染者数は2.3倍に増えているが、PCR検査数は4.0倍に増えている。
新型コロナウイルス感染による重症患者数の評価も簡単ではない。高齢者においては、抵抗力が弱っていることが重症化の主要な要因であるとみられ、新型コロナウイルスに感染しなかったとしても別の要因で重症化したであろう患者も少なくないとみられるからだ。
日本経済は瀕死の状態
8月17日、4~6月期の実質GDP成長率が発表された。前年同期比で▲7.8%、年率換算では▲27.8%となった。リーマン・ショックの発生直後、その影響がもっとも強く出た2009年1~3月期の成長率は年率換算で▲17.8%であったが、今回はそれを大きく下回り、戦後最悪の落ち込みとなった。しかも、マイナス成長はこれで3四半期連続である。