「車移動が暗黙のルール」なのは兵庫県西宮市の高台に位置する「苦楽園」も同じ。
「最寄り駅から徒歩15分以上かかるうえ、急な坂道が続くため、自転車も使えない。しかも景観を守るために建築制限があり、スーパーやコンビニがない。利便性は低いですが、街全体が高い所にあるため、神戸の街を一望できる。この絶景はお金に代えられません」(苦楽園の住民)
悪く言えば排他的、よく言えば住む人をがっちり守るこのような厳格なルールだが、そもそもなぜ設けられるようになったのか。
「大きな理由として考えられるのは、バブル期に暗黙の了解としてあった町内会協定を破ろうとする人が出てきたこと。六麓荘でも、大きな敷地を分割したり、庭や樹木のない小区画の家を建築する例が相次ぎ、住民たちの中で、街が変わっていく危機意識が生まれたのです」(幸保さん)
街への愛と覚悟、そして何よりお金がないと、高級住宅街には住めないといったところか。
※女性セブン2020年9月3日号