大好きな食べ物を、金額を気にせずお腹いっぱい食べたい――。そんな欲望を叶えるのが「食べ放題」。特に若い世代にとっては、その言葉を聞くだけで幸せな気持ちになるかもしれないが、ある程度の年齢になると、徐々に「食べ放題離れ」するようになる人たちも少なくない。
30代の男性会社員・Aさんは、「20代の頃は『焼肉は食べ放題に限る』と思っていたが、いまは量より質」だという。
「若い頃は値段を気にせずにたくさん食べられることが嬉しくて、よく利用していました。ただ、お腹いっぱいになっても、無理して食べてしまい、後々気持ち悪くなることも。個室でおかわりをオーダーするような高級タイプもありますが、そういうところは得てして食べ放題料金が高い。だったら、本当に食べたい物を厳選して食べた方が満足度は高いと思うようになりました。もちろん社会人をある程度経験して、金銭的にゆとりが出てきたことも大きいですね」(Aさん)
ただ、焼き肉の食べ放題に行かなくなったAさんでも、頻繁に利用している食べ放題があるという。
「ランチビュッフェ、なかでもサラダが充実しているところは好きですね。野菜は個別に買うと高いですし、一人暮らしだと余らせてしまうことも多い。栄養が気になってきたら、そういうところを活用します」(Aさん)
「元を取らなくちゃ」の気持ちだと楽しめない
子どもの頃はワクワクしたが、大人になってから基本的に食べ放題を避けるようになった、というのは、30代の女性会社員・Bさんだ。