遺言書には、本人が自筆で作成する「自筆証書遺言」と、公証役場で作成して保管する「公正証書遺言」の主に2種類がある。
自筆証書遺言は、煩雑な手続きが不要で気軽に作成できるが、これまで遺言書やそれに添付する財産目録は「全文手書き」が義務づけられていた。
誤字や脱字はもちろん、読めない文字があっても無効とされるため、自筆で遺言書を書くのは煩わしいとされてきた。
それが2019年1月から、財産目録に限りワープロ(パソコン)作成が認められるようになった。
「家族がワープロ打ちすることや、預金通帳のコピー、不動産登記事項証明書などの財産目録への添付がOKになり、遺言作成の負担が大幅に減りました」(夢相続代表取締役で相続実務士の曽根惠子氏)
しかし、新制度でも書き方を間違えると無効になるため注意したい。
「ワープロ打ちができるのは財産目録だけで、遺言書は必ず自筆で作成します。また遺言書に、書いた日にちと署名、押印がないと無効になります。ワープロ打ちした財産目録も全ページに署名、押印がなければ効力を持ちません」(前出・曽根氏)
※週刊ポスト2020年9月18・25日号