こうした場合、家庭裁判所に調停を申し立てるケースが多い。
「調停の際は、不動産鑑定士の鑑定書や不動産会社の査定書などが有力な判断資料になります。調停でも合意できなければ、地方裁判所に訴訟を起こすことが一般的です」(前出・野谷氏)
父が事業をしている場合だけでなく、遺言に不満を持つすべてのケースに遺留分の金銭払いは該当する。多額の現金を求められて、問題がこじれる事例も少なくない。
生前に家族間で話し合いを重ね、全員が納得できる結論を出しておくことが、争いを防ぐいちばんの方法となる。それは新ルールのもとでも変わらないのだ。
※週刊ポスト2020年9月18・25日号