コロナ禍で企業の倒産が相次ぐ中、健保組合にも解散のリスクが増えている。ある日、突然健保組合が解散したらどうなるのか。『週刊ポストGOLD 得する医療費』より、解説する。
医療費負担が増え続ける背景にあるのが、「健康保険の危機」だ。健康保険は、自治体が運営して自営業者などが加入する「国民健康保険」、全国健康保険協会が運営し中小企業の社員や家族が加入する「協会けんぽ」、大・中規模企業が単独ないし共同で設立し社員や家族が加入する「組合健保」などの種類に分かれる。
解散が相次いでいるのが、「組合健保」だ。2019年4月には、全国の生協の従業員ら約16万4000人が加入する日生協健保などが解散した。
解散すると、加入者は国から補助金が拠出されている「協会けんぽ」に移る。
「協会けんぽの保険料率は全国平均で約10%。解散する組合健保は、財政難で保険料アップが続き、10%前後の水準になってしまって、“これなら協会けんぽに移るほうがいい”という判断をしている」(大手組合健保関係者)
組合健保の財政を圧迫するのが、高齢者医療への拠出金だ。