「現役世代の払った保険料から、75歳以上のための後期高齢者医療制度などに支援金・納付金を拠出している。高齢化で拠出金がどんどん増えるなか、団塊の世代が後期高齢者になる『2022年問題』が目の前に迫り、さらに新型コロナによる経営難で保険料納付の猶予を求める企業が急増。組合健保の解散はますます増えるはずだ」(同前)
全国に約1300ある組合健保の加入者はおよそ2900万人。財政的に余裕がある組合健保はまれで、多くの人が“あなたの加入する健康保険は解散します”と言い渡されるリスクを抱えているのだ。
もちろん、解散後はすぐに協会けんぽから新しい保険証が交付される。ただ、人間ドックの費用補助といった、組合健保独自の「付加給付」は受けられなくなる。
組合健保や協会けんぽは、拠出金圧縮のため、後期高齢者の窓口負担割合を1割から2割へと上げるよう国に要請してきた。現役世代も、リタイア後世代も負担が増え続けることになる。
※週刊ポスト2020年10月1日号増刊『週刊ポストGOLD 得する医療費』より