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松井証券社長 ネット証券戦国時代は投資の面白さ提案が鍵

――同じネット証券でも、SBI証券や楽天証券のほうが主力顧客層が若い。松井証券はセミプロ向けのイメージで敷居が高く感じる人もいるようです。

 大手ネット証券と括られていますが、松井証券は本当にネット専業と思われているのか、対面とネットが半々ぐらいに思われているのではないかと懸念しています。今後のブランディングはますます重要になっていくと思います。

 金融商品は金利や手数料、あるいは機能面での差別化に限界がある以上、ポイントになってくるのはマーケティング力だと思います。先ほどの「アクティビスト追跡ツール」などもその一環で、投資の面白さ、楽しさをどう打ち出すかを考えていきたい。

 アメリカでは、手数料無料を打ち出し、小口の投資初心者でもアプリで株取引できる「ロビンフッド」が大変な人気のようです。

 ロビンフッドも娯楽性を加味したサービスを次々と打ち出していて、友人を紹介したらくじを引ける特典があり、当たりが出ると株がもらえるといったような仕掛けがあります。

 海外ではそういう取り組みが既にサービスとして存在しています。射幸心を煽ってはならないですが、日本でも楽しさを感じられるようなサービスにしていくことは必要だと思っています。

――楽しさを感じられる投資サービスはいつ頃から出てくる?

和里田:社長就任に伴って全社的な組織変更を行ない、新たに投資サポート部という部門を置きました。ここが中心となって、今年度中には色々と新しいコンテンツを提供していくことになると思います。

【プロフィール】
和里田聰(わりた・あきら)/1971年東京都生まれ。一橋大学商学部卒業後、1994年にプロクター・アンド・ギャンブル・ファー・イースト・インク(現・P&Gジャパン)入社。1998年リーマン・ブラザーズ証券。1999年UBS証券。2006年松井証券取締役、2011年常務取締役、2019年専務取締役を経て今年6月より現職。

【聞き手】
河野圭祐(かわの・けいすけ)/ジャーナリスト。1963年、静岡県生まれ。経済誌編集長を経て、2018年4月よりフリーとして活動。流通、食品、ホテル、不動産など幅広く取材。

※週刊ポスト2020年10月9日号

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