新型コロナウイルス感染拡大の経済全般への打撃は凄まじく、企業や個人事業主の廃業、雇い止めによる失業などがじわじわと広がっている。こうした社会全体の転換期に、個人として新たな試みを始める人も少なくないようだ。「コロナ禍を境に婚約者が“目覚めた”」という30代男性会社員に、フリーライターの吉田みく氏が話を聞いた。
* * *
「『一歩差のつく人生設計』とか、『なりたい自分になる』とか……。今までの彼女がガラリと変わった気がします」──都内在住、外食チェーン店勤務の宍戸祐樹さん(仮名・32歳)は、オンラインサロンにどハマりする婚約者(28歳)に困っていた。
宍戸さんの婚約者の様子が変わったのは、今年の3月頃。新型コロナウイルスによる自粛生活がスタートしたあたりだったという。それまでの婚約者は平凡な生活を好むおっとりとした性格だったのだが……。
「彼女の仕事は旅行関係ということもあり、コロナによる影響は大きかったようです。『このままじゃ仕事なくなるかも』って、不安そうでした」(宍戸さん、以下同)
そんな現状を打破すべく考えたのが、オンラインサロンへの入会だったようだ。宍戸さんの婚約者曰く、「今までの自分を変えたい」とのことだった。
オンラインサロンとは、〈月額会員制のWeb上で展開されるコミュニティの総称〉(Wikipediaより)で、ある分野について専門的な知識を持つ人たちが運営していることが多く、自身の持つビジネスのノウハウや、生き方指南などを有料会員に向けて提供している。ホリエモンこと堀江貴文氏や、お笑い芸人の西野亮廣氏が主宰するオンラインサロンが有名だ。
会費はそれぞれ異なるものの、一般的な相場は月に1000〜1万円ほど。イベントなどに参加する場合は、別途料金が発生することが多い。オンラインサロンで得られるもの・それに求めるものは人それぞれだが、曖昧な「何か」を探し求めるために参加している人も巷には多いように感じる。また、一部では“洗脳”や“搾取”などといったネガティブな意見もあり、賛否両論あるようだ。