吉田みく「誰にだって言い分があります」

電子決済の怖さを知った男子学生が「小銭ジャラジャラマン」になるまで

 新規登録し、銀行口座との紐づけを行えば1000ポイント以上もらえるキャンペーンもあり、学生の田中さんとしては助かったそうだ。

「“○○(店舗)で利用すると20%還元”、“期間中に利用すると全額キャッシュバックのチャンス”などの文言を見てしまうと、『利用しないと損!』って思っちゃって……」

 田中さんは買い物のたびに、できるだけ還元率の良いキャッシュレス決済会社を選んで利用するように心掛けていた。しかし、何種類ものキャッシュレス決済を日常的に使うことになり、全体でどれだけ利用していたかを把握しきれていなかったという。

「キャッシュレス決済メインの生活は便利で楽でした。でもその結果、気付いたら銀行の口座残高が1967円まで減っていたんです」

 高額な買い物はしていなかったそうだが、コンビニなどの日々の出費がかさんでしまっていたようだった。各社の支払い分を合算してみたら、月5万円は使っていたという。

「決済残高がなくなったら、ネットバンキングで3000円を即チャージして使っていた。でも冷静に考えたら、これって3時間分のバイト代なんですよね……」

 田中さんは居酒屋でアルバイトをしていたが、新型コロナウイルスの影響で勤務時間が激減。現在、バイトの稼ぎは月2万〜4万円を行ったり来たりの状態だそうだ。収入が減少した反面、自粛がメインの生活で出費が増えたと嘆く。

 他にクレジットカードの支払いが残っていた田中さんは、両親に今回の件を伝え、立て替えてもらうことにした。

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