そう語る杉山さんのところには、年収の2倍近くに膨れ上がった借入金に悩む女性も訪れるという。
決して人ごとではない自己破産への道。まずはその入り口に立っていないかをセルフチェックしてみよう。杉山さんは「お金に無頓着な人が借入地獄に陥りやすい」と言う。
「自分の預金額を把握していない、今月のカードの支払額がどのくらいか知らない、といった場合です。ほとんどの相談者が、最初に口にする借入金と、調べてわかる実際の借入金には開きがあります」
また、限度額ギリギリまでキャッシングをしていたり、リボ払いをしているクレジットカードが2枚以上ある場合も、即座に手を打った方がいい。
まだ最悪の事態には陥っていなくても、「私は自己破産予備軍かも」と自覚があるのなら、知らず知らずのうちに借金を抱えてしまわないよう、早めの対策が大事である。
「不便でも、クレジットカードの利用を止めること。通販サイトではプリペイドカードでの支払いを受け付けているところも多い。買った分だけ払うのではなく、払える分だけ買うという習慣を身につけましょう」
それでも、引き返せないところまで来てしまったら。杉山さんは念を押す。
「とにかく、頑張ろうなどと思わないで、利息分をカットして現実的な返済の道を探る任意整理を選ぶことです。また、家族に隠したいという気持ちも理解できますが、自己破産するとなったら絶対に隠し通すことはできないので、その手前の任意整理の段階で家族に頼りましょう。ひとりではいつまでも返せないと感じる金額も、家族の助けがあれば、なんとかなるケースがあります」
あなた自身や、あなたの近くにも、コロナ禍で気づかぬうちに自己破産予備軍がいるかもしれない。
※女性セブン2020年10月15日号